「英語って、なんだか恥ずかしい…」
そんなふうにモジモジしてしまう子ども、あなたのご家庭にもいませんか?
単語もフレーズも覚えているはずなのに、いざ声に出そうとすると小さくなる声。うつむいてしまう視線。
「もっと自信を持って話してくれたらいいのに…」と、親としてももどかしく感じる場面ですよね。
実は、“英語が恥ずかしい”という感情には、子どもならではの理由があります。
そして、親のちょっとした声かけひとつで、その恥ずかしさが「やってみよう」という前向きな気持ちに変わることもあるのです。
この記事では、「英語を話すのが恥ずかしい」と感じる子どもへの声かけ例や、家庭でできるサポート法を、具体的にわかりやすくご紹介します。
英語が“特別でこわいもの”ではなく、“遊びながら楽しく触れられるもの”になるよう、親としてどんなふうに寄り添えるか、一緒に考えてみませんか?
英語を「恥ずかしい」と感じる子の心理とは?
子どもが英語を話すのを恥ずかしがる――それには、子どもなりの“理由”があります。
まずはその心理を知ることで、親の声かけも的確になり、子どもへのアプローチがぐんとやさしくなります。
なぜ英語になると急に口が重くなるのか?
普段はおしゃべりで元気な子でも、英語の時間になるとモジモジ…。「え?さっきまであんなに元気だったのに?」と、親として戸惑うこともありますよね。
実はこれ、性格の問題ではなく「英語だから」こそ出てくる特有の心理反応なんです。
日本語の会話では感じない“緊張感”や“違和感”が、子どもにとってはとても大きなハードルに。無意識のうちに「できないかも」「間違えたらどうしよう」というブレーキがかかっている状態です。
間違いへの不安と他人の目が原因
「えいごで自己紹介してください!」と言われた瞬間、顔がこわばる。
それは、「間違えたら恥ずかしい」「発音が変って思われたらイヤだ」という気持ちの表れです。
大人でも、慣れない言語を人前で話すのは勇気がいりますよね。子どもならなおさらです。
「え?それちょっと違うよ〜」と笑われた経験があると、それだけで次の一歩が踏み出せなくなることもあります。
日本語との違いによる発声への抵抗感
英語は口を大きく開けたり、舌の動かし方が独特だったりと、日本語とはまるで違う“口の使い方”が求められます。
「Rの発音、ちょっと恥ずかしい…」
「アクセントつけると、なんか自分じゃないみたい」
そんな“違和感”がブレーキになっているケースも少なくありません。
自分の声に対して敏感な子ほど、「英語を発音する自分の声」が気になって、口を開けなくなってしまうのです。
英語学習への成功体験の少なさ
「英語、なんか苦手…」
子どもがそう感じる背景には、“できた”という成功体験が少ないという問題があります。
たとえば、九九なら「覚えた!」「言えた!」と実感しやすいですが、英語は習ってすぐに成果が出るわけではありません。
さらに、テストより“聞いて話す”ことが多い英語は、成果を可視化しにくいのもネックです。
「がんばってるのにうまくいかない」→「だったらやらない方がマシかも」
そんな思考になりがちなのです。
親が知っておきたい“恥ずかしさ”の背景
子どもが「英語は恥ずかしい」と感じる理由には、英語そのものだけでなく、年齢や環境、過去の経験など、さまざまな“背景”が影響しています。
親がその根っこを理解しているかどうかで、声かけの効果も大きく変わってくるのです。
年齢による羞恥心の芽生え
小学校中学年以降、子どもたちは周囲の目を強く意識し始めます。
「人からどう見られるか」「間違ったときにどう思われるか」を気にするようになり、それが“話すこと=恥ずかしい”という反応につながります。
特に、「変な発音だと思われたらどうしよう」と感じるようになったら、まさにその“芽生え期”。
英語に限らず、歌や発表などでも急に「やりたくない」と言い出すのは、この感覚が関係していることが多いです。
学校や周囲の環境からの影響
先生の教え方やクラスの雰囲気も、子どもの心理に大きく影響します。
たとえば、「間違ってもいいよ」と言っているクラスと、「正しく言いなさい」が強調されるクラスでは、子どもの英語への取り組み方はまるで違います。
また、周りの友達があまり英語を話していなかったり、英語を話す子がからかわれていた経験があると、「自分もやめておこう…」とブレーキをかけてしまうことも。
過去の失敗や指摘の記憶
ちょっとした指摘――たとえば、「それちがうよ」「今の変だった」――が、子どもの心に強く残ってしまうことがあります。
特に小さい頃の“恥ずかしい記憶”は長く引きずる傾向があり、次に話すチャンスがあっても「また失敗するかも」と不安がよぎってしまいます。
親や先生は軽い冗談のつもりでも、子どもにとっては「笑われた」「ダメ出しされた」と深く傷つくケースも。
その“記憶”が無意識のうちに、英語を話す勇気を削いでしまうのです。
自信を育てる!声かけの基本と実例
子どもが英語を「恥ずかしい」と感じているとき、何よりも大切なのは“安心感”です。
正しい文法や発音を教えることよりも、「やってみようかな」と思える雰囲気づくりのほうが、よっぽど学習効果につながります。
この章では、子どもに響く声かけのポイントと、すぐに使えるフレーズをご紹介します。
子どもに響く声かけのコツとは?
「がんばって!」「大丈夫だよ!」だけでは、なかなか子どもは動きません。
大切なのは、“今のその気持ち”をまるごと受け止めたうえで、ほんの少し背中を押す言葉を届けることです。
「正しさ」より「チャレンジ」を褒める
英語を話す子どもにとって、最初の一言を口にするのはとても勇気がいることです。
だからこそ、「よく言えたね!」ではなく、「言ってみたことがすごい!」という視点で声をかけましょう。
たとえば、単語1つだけでもOK。「言ったこと」そのものに価値を置くと、子どもは「もう1回やってみようかな」という気持ちになります。
「恥ずかしくないよ」ではなく「やってみよう」
「恥ずかしくないよ」と否定してしまうと、子どもは「そう感じてる自分はおかしいのかな?」と余計に不安を感じることもあります。
それよりも、「ちょっとだけ一緒に言ってみようか」「ママもやってみるから!」というように、“やってみる流れ”を自然につくってあげる声かけの方が効果的です。
「一緒にやろう」が安心感につながる
子どもはひとりでやるより、誰かと一緒の方が安心します。「発音してごらん」ではなく、「せーの、で言ってみよう」と言われるだけで、気持ちのハードルがぐっと下がります。
さらに、「できたらハイタッチしよう!」など、体を使った“楽しいゴール”をセットにすると、英語を話すことへの前向きな印象が自然と育っていきます。
実際に使える声かけフレーズ集
いざという時、どんなふうに声をかけたらいいのか悩みますよね。
ここでは、英語を「恥ずかしい」と感じている子どもの気持ちをやわらげ、自信を育てるための実践的なフレーズをご紹介します。どれも日常の中で使いやすく、やさしい言葉ばかりです。
「間違えても大丈夫、ママも同じだったよ」
子どもが一番恐れているのは「失敗すること」。
そんなとき、「ママ(パパ)も最初は全然できなかったよ〜」と笑いながら言うことで、子どもは「自分だけじゃないんだ」と安心します。
さらに、「間違えてもいいよ、それが練習だもんね」と加えると、挑戦することへのハードルがぐっと下がります。
「言ってみるだけでかっこいいね!」
小さなチャレンジをした子には、全力で“肯定のシャワー”を浴びせてあげましょう。
たとえば、単語をポツンとひとつ言っただけでも、「おっ、めっちゃかっこいいじゃん!」とリアクションを大きめに。
英語を話す自分にポジティブな印象が残るように、言葉+表情+ジェスチャーを使って“成功体験”として残してあげることが大切です。
「聞こえた英語、真似してみようか」
英語の発話に抵抗がある子には、“真似”というアプローチが有効です。
テレビや動画から流れてくる英語を、一緒にオウム返しのように真似するだけなら、「正しく言わなきゃ」というプレッシャーが少なくてすみます。
このときのコツは、「いっしょに」「たのしく」そして「くり返し」。「聞こえたまま言ってみよう〜」とテンポ良く促すと、遊び感覚で口に出せるようになっていきます。
家庭でできる“恥ずかしさ”克服サポート
英語を「恥ずかしい」と感じてしまう子どもにとって、家庭は最も安心できる“英語練習の場”です。
学校や教室ではできないことも、家の中なら自由に、リラックスして取り組むことができます。
ここでは、日常生活の中で英語への抵抗感を減らす工夫や、子どもの自信を育てるための環境づくりをご紹介します。
日常で英語にふれる習慣づくり
英語を“特別なもの”から“いつものこと”へ。
子どもが恥ずかしさを感じずに英語に触れられるようになるためには、「英語=話しても大丈夫」という空気を、家庭の中で自然に作ることが大切です。
無理に「話しなさい」と言うより、遊びや生活の中に“ちょっとだけ英語”を取り入れることで、子どもは抵抗感なく英語と付き合えるようになります。
親子で英語の歌を歌う/動画を見る
耳から入る英語は、恥ずかしさの壁を壊す第一歩。
特に「英語っぽい声を出すのがイヤ」という子には、“一緒に歌う”のがいちばん自然な方法です。
たとえば:
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英語版のアニメソングを流してみる(例:「Peppa Pig」「Super Simple Songs」)
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歌詞の一部だけ真似する:「Let it go〜♪」の部分だけ歌うのでも十分!
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寝る前に英語の絵本を読み聞かせしながら「Good night」のやり取りを習慣化
「音をまねる」ことに慣れることで、発音やリズムに対する恥ずかしさが少しずつ薄れていきます。
英語の挨拶を家庭内で取り入れる
「Good morning」や「See you」など、単語レベルの簡単なあいさつでも、毎日続けることに意味があります。
例えば:
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朝は「Good morning」+ハイタッチでスタート!
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お風呂あがりに「Nice and clean!(きれいになったね)」
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食事の前に「Let’s eat!」、寝る前に「Sweet dreams!」
ポイントは、英語を“勉強”として使うのではなく、“遊び”や“コミュニケーション”として取り入れること。
親が堂々と楽しんで使う姿を見せることで、子どもも自然と真似したくなります。
英語での“ごっこ遊び”をしてみる
ごっこ遊びは、子どもが感情を込めて英語を使う絶好のチャンスです。
恥ずかしさを忘れて没頭できる“役になりきる”スタイルは、表現力も育ててくれます。
こんな遊び方がおすすめ:
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カフェごっこ:「Hello! What would you like?」→「I want juice, please!」
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動物園ごっこ:「I’m a tiger! Roar!」「Are you hungry?」
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宇宙ごっこ:「Let’s count down! 3, 2, 1… Blast off!」
セリフカードや簡単なアイテムを使って世界観をつくってあげると、さらに盛り上がります。
「この遊び、英語使ったらもっと楽しくなる!」と思わせたら大成功です。
このように、日常の中に少しずつ英語を組み込んでいくことで、子どもは英語に慣れ、「話してみたい」という気持ちが自然に育ちます。
成功体験を増やすための工夫
「できた!」「言えた!」という経験が、恥ずかしさを乗り越える一番の力になります。
英語を話すことが怖くなくなるためには、子どもが“英語で成功した”と感じられる小さな場面を、できるだけたくさん用意してあげることが大切です。
ハードルの低いミッションで達成感を演出
いきなり文章で話すのではなく、1単語でもOKな“ミッション”を出してみましょう。
たとえば:
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「色の名前を1つ言えたらシールをあげるよ」
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「テレビで聞こえた英語を1つ真似できたら、ポイントGET!」
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「買い物ごっこで“apple”って言えたら、ママがレジ係やるね」
子どもが“やればできる”を感じられると、英語を話すこと自体にポジティブなイメージがついてきます。
外部の力(英語教室・アプリ)を上手に活用
家庭だけでは難しいと感じたときは、英語教室やアプリの力を借りるのもひとつの手。
他の子の姿に刺激を受けたり、親以外の大人からほめてもらうことで、モチベーションが高まることがあります。
おすすめは:
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英語アプリでゲーム感覚の発話練習(例:Lingokids、Duolingo Kids)
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オンライン英会話で優しい先生と“話すこと”に慣れる
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英語絵本の読み聞かせ動画を見て、「読めた!」を体験する
「家庭+外の世界」で英語にふれる場面が増えると、自信の育ち方もスピードアップします。
家族の前で“英語ショー”を開催するのも◎
子どもが「できた!」を感じられる舞台としておすすめなのが、“英語ショータイム”です。
たとえば:
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「自己紹介だけ英語でやってみよう」
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「好きなフルーツを英語で言ってみよう」
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「英語で買い物ごっこしてる様子を披露!」
おじいちゃんやおばあちゃんを観客にしてもいいですし、ぬいぐるみたちの前で“ステージ”を作るのも◎。
大事なのは、結果より“やってみたこと”を全力でほめること。
「言えたね!すごい!」「ママより上手かも〜!」というポジティブな反応が、子どもの中に「英語を話すって楽しい」という感情を残します。
親自身のかかわり方も見直してみよう
子どもが英語に対して“恥ずかしい”と感じているとき、実は親のふるまいや言葉も大きな影響を与えています。
「子どもがなかなか話そうとしない…」と感じたときこそ、親のかかわり方を少しだけ振り返ってみましょう。
親の姿勢が子どもの学びに影響する理由
子どもは思っている以上に、親の姿をよく見ています。
とくに「英語に対して親がどう感じているか」は、まるで鏡のように子どもの意識にも反映されるものです。
英語への苦手意識は子どもに伝染する
「ママ英語苦手だから…」「英語はムズカシイよね~」といった言葉は、何気ないつぶやきのつもりでも、子どもの耳にはしっかり届いています。
その言葉が、「英語ってやっぱり難しいんだ」「できなくて当たり前なんだ」と思わせてしまうことも。
英語が苦手でも構いません。大切なのは、「ママも一緒にやってみるね!」という“前向きさ”を見せることです。
「一緒に頑張る」が一番の励ましになる
子どもにとって、最大の安心材料は「親がそばにいてくれること」。
たとえば、英語の動画を一緒に見たり、発音を真似してみたり、「今日の英語チャレンジ」を一緒にやるだけでも、「やってみようかな」と思えるきっかけになります。
「ママも変な発音しちゃった~」と笑い合える空気が、子どもの不安をほぐしてくれるのです。
完璧じゃない姿勢がむしろ子どもに安心感
親が“上手にやろう”とすると、子どもは無意識にプレッシャーを感じます。
だからこそ、「間違っても大丈夫」「途中で笑ってもOK」という、ちょっとゆるめの雰囲気が◎。
子どもにとって大切なのは、「英語ができる親」ではなく、「英語を楽しんでる親」です。
一緒に声を出し、失敗を楽しめる姿こそが、子どもを一番安心させ、自信を育ててくれます。
まとめ|「恥ずかしい」を乗り越えるのは、“安心できる声かけ”から
英語を「恥ずかしい」と感じるのは、子どもにとって自然なことです。
でも、その気持ちに寄り添いながら、少しずつ“話してみよう”という気持ちに導いていくことは、親にしかできない大切なサポートです。
大事なのは、「正しく話すこと」ではなく、「話してみようと思えること」。
その第一歩は、たった一言の声かけや、一緒に笑って英語を楽しむ時間から始まります。
子どもが英語に対して「やってみたい」「ちょっと面白いかも」と思えるようになるよう、今日から少しだけ声かけを変えてみませんか?
親子で笑いながら、失敗しながら、英語にふれていけたら――きっとそれが、未来につながる“本当の英語力”になるはずです。

