分数のたし算・ひき算でつまずかない!親ができる教え方の工夫とは?

分数 分からない 算数

「分数のたし算とひき算で、急につまずき始めた…」
そんな悩みを感じている親御さんは少なくありません。分数の計算は、足し引きだけでなく「通分」「約分」「帯分数」など、目に見えにくいルールがたくさん登場します。特に「なぜ分母をそろえるのか」が腑に落ちていないまま進んでしまうと、子どもは混乱しがち。さらに、家庭で教えようとしても「自分自身が忘れてしまっている」「うまく説明できない」と困るケースも。

でも、大丈夫です。
この記事では、子どもが分数につまずかないための「教え方の工夫」を、図や生活の場面を使いながらわかりやすく紹介していきます。「これならできそう」と思える具体策を、家庭ですぐに実践できる形でお届けします!

なぜ分数のたし算・ひき算はつまずきやすいのか

分数のたし算・ひき算は、小学生にとって急に「難しくなった」と感じる単元のひとつです。その理由は、単純な計算力だけではなく、「通分」や「約分」などの抽象的な処理を理解しなければならないからです。

整数の計算では「そのまま足す・引く」だけで済んだものが、分数になると「まず分母をそろえる(通分)」→「分子を計算する」→「必要なら約分する」という複数のステップを踏まなければいけません。この手順が整理できていないと、「どう始めていいかわからない」「いつ何をすればいいのか混乱する」といった声が出てくるのも自然なことです。

また、分数は「ものをいくつに分けたか」を意味するため、実感が持ちづらいのもつまずきの一因です。例えば「1/3と1/4を足す」といっても、現実の中で「3等分」と「4等分」を同時に扱うことは少なく、視覚的なイメージがわかないと数字の操作だけが先行してしまいます。

さらに、「分母は足さない」「通分してからでないと計算できない」など、直感に反するルールが出てくることで、子どもたちは「なんでそうなるの?」という疑問を持ちやすく、納得できないまま進んでしまうこともあります。

そもそも分数の仕組みが理解できていない

分数の計算につまずく子どもに共通するのが、「分数とは何か」という概念の理解が不十分であることです。分数は「1つをいくつかに分けたうちの何個分か」を表すものですが、子どもにとっては「1より小さい数字」や「分子・分母」といった言葉自体が抽象的に感じられます。
特に初期の段階で、「1/2は半分」「1/4は4つに分けたうちの1つ」といった具体的な分け方をイメージできていないと、計算以前の理解でつまずいてしまいます。

通分・約分があいまいなまま進んでしまう

たし算やひき算では「分母をそろえる=通分」が必要になりますが、この意味をしっかり理解していないと、無理やり数字を操作するだけになってしまいます。また、通分後の「約分」も、なぜやるのかがわかっていないと、ただの手順として処理してしまい、ミスを誘発します。
そもそも通分と約分は「数の大きさを変えずに形を変える」操作なので、視覚的に理解できるようにすることが大切です。

帯分数・仮分数の意味がわからない

分数の学習が進むと出てくるのが、「帯分数」と「仮分数」の概念です。たとえば「1と2/3」や「5/4」など、整数と分数が混ざったり、分子が分母より大きい形の数です。このあたりで「よくわからない」「なんだかややこしい」と感じてしまう子が少なくありません。

そもそも、「1と2/3」は、1があってさらにもう少しある、「5/4」は1をちょっと超えた量という感覚がつかめていないと、ただの記号のように見えてしまいます。「なぜ1と2/3を仮分数で書くの?」「どうやって仮分数から帯分数に直すの?」といった疑問も、言葉の意味が曖昧なままだと解けない問題に直結します。

こうした混乱を防ぐには、実物や図を使って「量」のイメージを持たせることが大切です。たとえば紙を1枚と2/3枚並べる、ピザを丸ごと1枚と2/3枚分描いて見せる、などの視覚的な補助が有効です。「5/4って、1枚と1/4枚ってことなんだよ」と見せると、仮分数と帯分数の関係が直感的にわかるようになります。

また、「仮分数は分母をそろえるときや計算するときに便利な形なんだよ」と、使い分けの理由もセットで教えることで、ただの書き換えではなく、「目的に応じた形の違い」として理解が深まります。

変換のルールばかり覚えさせるのではなく、「意味がわかるから自然に変換できる」状態を目指しましょう。

整数と分数の関係性を可視化することが大切

「整数=1個分」「分数=その一部」と認識できるかどうかで、つまずきの大きさが変わります。
数直線・おはじき・ピザ図など、目に見える素材を使って、整数と分数のつながりを視覚的に学ばせましょう。そうすることで、子どもが「量」としての数をつかみやすくなり、自然と計算への理解も深まっていきます。

家庭でできる!分数の教え方の工夫

分数の計算が苦手になる前に、家庭でできる工夫を取り入れておくことはとても効果的です。特に、学校の授業だけでは「なんとなく」で終わってしまう子には、具体物や体験を通じてイメージを定着させてあげるのがポイントです。

まずは「ピザを切り分ける」「ケーキを人数で分ける」といった、身近な食べ物を使った遊びが非常に効果的です。たとえば「1/2のピザと1/4のピザ、どっちが大きい?」といったクイズを通じて、数値だけでなく量の感覚として分数をとらえることができます。

また、100円を分ける、1時間のうちの15分を表す、といったお金や時間を使った例も、日常と結びつきやすく実感しやすいです。

さらに、「1/3と1/6はどうやって足せるかな?」と親子で一緒に考えたり、紙に図を書いて視覚的に見せると、ただ計算させるよりも理解が早まります。
大切なのは、「一緒に楽しむ」姿勢を見せること。苦手意識が生まれる前に、「わかるっておもしろい!」という経験を積ませてあげましょう。

ピザやケーキの図で「分ける」イメージをつかむ

子どもにとって最も理解しやすい分数の学び方は、身近なものを題材にした「視覚的な説明」です。たとえばピザやケーキを使えば、「8つに切ったうちの3つ=3/8」など、実際に“分ける”という感覚を視覚化できます。「1/2ってこういうことか!」と納得してもらうには、まず感覚的に体験するのが効果的です。

実際に切って体験する「実物モデル学習」

絵だけではイメージが湧きにくい子には、実際に紙を切ったり折ったりする活動もおすすめです。厚紙を円形にしてピザ型に切り分けたり、正方形を4分割したりして「これは1/4だね」と指差しながら体感させましょう。手を動かしながら学ぶことで、「分ける」「そろえる」といった操作の意味が自然と身につきます。

九九を活用して通分力を伸ばす

分数のたし算・ひき算で出てくる「通分」は、最小公倍数を探す作業です。ここで役立つのが九九の活用です。「3と4の最小公倍数は12だね」と九九表を見ながら練習することで、通分が苦手な子もスムーズに計算できるようになります。九九に慣れていない場合は、まず掛け算を強化しておくのも大事なステップです。

「最小公倍数」の感覚を遊びながら身につける方法

最小公倍数は、分母をそろえる「通分」の場面で避けて通れない考え方です。しかし、ただ「数字の小さい順に倍数を書いて…」と教えるだけでは、機械的な作業になってしまい、意味が定着しづらくなります。そこでおすすめなのが、遊び感覚で最小公倍数に親しむ工夫です。

たとえば、「倍数さがしゲーム」。紙に1〜100までの数字を並べ、親子で「3の倍数」「4の倍数」をそれぞれ色分けして塗っていくと、同じ色になったところ(共通の倍数)が自然に目に留まります。「お!ここが最初にぶつかったね!」というやりとりの中で、最小公倍数=最初に出会う共通の倍数というイメージがつかめます。

さらに、スゴロクのマスを使った「公倍数でGO!」のようなゲームも楽しく学べる方法です。たとえば「2と5の公倍数に止まらないと次に進めない」といったルールを作れば、自然に数を数え、最小公倍数の考え方を使うことになります。

このように、勉強の延長というより遊びの中で繰り返し接することで、苦手意識を持たせずに最小公倍数の感覚を身につけることが可能です。

よくあるつまずきとその乗り越え方

分数の計算には「つまずきポイント」がいくつかありますが、どれも教え方を少し工夫するだけで、ぐっと理解しやすくなるものばかりです。

たとえば、「分母だけを足してしまう」というミスは、整数の足し算と同じ感覚で処理してしまうことが原因です。この場合は、「分母は“分け方”のこと」「同じ単位にそろえないと比べられない」と意味を言葉でしっかり伝えることが重要です。

また、「通分」や「約分」の手順がわからず混乱する子には、「なぜそれをするのか」の理由を、図や具体例で示してあげましょう。単に「ルールだから」では納得できず、丸暗記になってしまい、応用がきかなくなります。

計算の途中式を省略してミスする子には、順を追って紙に書く練習を積ませるのが効果的です。特に「通分 → 足す → 約分」という一連の流れを、丁寧に分けて書く習慣をつけることで、混乱や見落としを防げます。

子どもがつまずいたときは、「なぜできないのか」ではなく「どうすれば理解できるか」を一緒に探していく姿勢が大切です。家庭だからこそ、焦らず寄り添うサポートができるという安心感が、子どもにとって大きな助けになります。

分母だけ足してしまうミスを防ぐには

このミスは、分数の仕組みを十分に理解しないまま、「上と下を足せばいい」と思い込んでしまうことで起こります。特に、分数の足し算・引き算に初めて触れる段階では、整数の感覚が強く残っているため、「1/3+1/4=2/7」のように、直感で処理してしまうのです。

防ぐにはまず、「分母=分け方」「分子=取り分の数」という意味をしっかり言葉で説明してあげることが大切です。ピザやケーキを例に、「3等分したピザと4等分したピザは、分け方が違うからそのまま足せないんだよ」と具体的に話すと、子どもにもイメージしやすくなります。

さらに、図を使って視覚的に見せると効果的です。異なる分母の円グラフを並べて、「形は似ていても、大きさが違うから、そろえる必要があるんだよ」と伝えることで、通分の必要性も自然に理解できます。

また、「分母は計算しない」と一方的に伝えるよりも、「同じ分け方にそろえるから、分母は通分してそのまま使うんだよ」と理由をセットで教えると、ルールが単なる暗記ではなく納得に変わります。

途中式を省略してしまうと混乱しやすい

分数の計算では、「通分して→分子を計算して→約分する」といった手順の多さがネックになります。そのため、「面倒くさいから途中式を飛ばす」「頭の中だけでやってしまう」といった行動がよく見られます。しかし、これはつまずきの元。手順を省略すると、ミスの原因がどこにあるか本人も気づきにくくなり、理解が進まなくなってしまいます

たとえば「1/3 + 1/6」を暗算でやろうとして、6で通分する意識が抜けたり、約分を忘れてしまったりと、途中式がないことで見落としが増えてしまいます。さらに複雑な分数になるほど、頭の中だけで処理するのは難しく、結果的に正しい計算方法を身につける妨げになってしまいます。

この問題を防ぐには、「途中式をきれいに書くことは、自分の考えを見える化することなんだよ」と説明し、式を書くことの意味そのものを伝えることが重要です。親が隣で声に出して「まず分母をそろえて…次に分子を…」と実況中継のように考え方を示してあげると、子どもも「式にすることで頭が整理できるんだ」と実感しやすくなります。

また、計算式を一緒にノートに並べて、どこをどう処理したかを確認しながら進める練習を重ねることで、「丁寧に書くことの大切さ」を自然と身につけることができます。間違いが起きても、どこで間違えたかを見つけやすくなるという安心感が、子どもの自信にもつながります。

約分が「なぜ必要か」がわからないと納得できない

計算結果を約分せずに終える子や、逆に無理に約分してしまう子もいます。これは「なぜ約分するのか」という意図が伝わっていないからです。
「よりシンプルに、見やすい形にするため」や「テストでは約分しないと正解にならないよ」といった具体的な理由を伝えると、子どもも納得しやすくなります。また、約分前と約分後が同じ大きさであることを視覚的に示すと、より理解が深まります。

計算後の確認方法を習慣化させよう

ミスを減らすには、「計算後に見直す習慣」をつけるのが有効です。「答えを約分した?」「通分は合っている?」など、チェックポイントをあらかじめ決めておくことで、自然と確認するクセがつきます。
小さな成功体験を積ませることが、継続的な学びの土台になります。

まとめ:分数の計算を楽しく学ぶには

分数のたし算・ひき算は、つまずきやすい単元の一つですが、工夫次第でぐっと楽しく、わかりやすくなります。視覚的な説明や実物を使った体験、遊び感覚の学習は、特に小学生にとって効果的です。

親子で一緒に楽しみながら進めることで、「分数って難しい…」という苦手意識を和らげることができ、確かな理解と自信につながります。焦らずステップを踏んで、ゆっくりでも「わかった!」という瞬間を重ねていきましょう。